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のりこのスウェーデン研修日記 (2004年)
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2月26日 「程度とは何をもって計るのか」
夕食の時間後にコーヒーを飲みながら、ハミングで職員が唄を歌っていた。
するとIngrid(イングリッド)が突然唄い始めた。とても静かな唄だけど、恐らく4番か5番くらいまであったと思う。他の誰もが知らないその昔の曲を、彼女が独りで歌い終えた時、その場で拍手が起きた。彼女は、「昔はもっと覚えていたのに、忘れちゃって嫌ね〜」なんて照れながら笑った。隣に座っていたMaud(モウド)は涙を流しながら聞いていた。感動した職員が早速教えてもらっていた。彼女はとても頭が良く、その場の誰よりもしっかりしているように思えた。
そしてその夜、突然イングリッドが電話をかけたいと言い出した。「休暇も終わりだし、そろそろ自宅に戻らないと。明日の早朝にタクシーを呼んでもらいたいの」と言った。
「今はこのソルナに住んでいるのよ。隣には同じアパートに住んでいるモウドが座っているわよ」と私が言っても、「貴方の言っている意味が分からない。ここは私の家ではない」と言い続けた。自宅に電話と言い続けたので、娘さんから電話をかけてもらうように連絡した。しばらく電話で話したあとも、彼女はまだ混乱している。モウドが手助けをしようとして、さらに混乱させてしまっているような状態だった。
その後、娘さんがホームにやってきた時には既に、「あら、遊びに来てくれたのね」といつものイングリッドに戻っていた。彼女は盲目のために別の介助は必要であるが、基本的に食事や排泄などは全て自分で行う。
ADLに関して問題はない。ただ、状態が安定している時と、そうでない時の差が激しい。今の状態はスウェーデンではどのような程度に属すのだろう。そしてそれは何をもって計るのだろうか。今夜の彼女を見ながら一言ではいえない難しさを感じた。
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