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縮小される農家と牧場:
昔のスウェーデンは、現在のように豊かな国ではなく、貧しい農家と牧場経営で成り立っていたといってもよいほどでした。鉄鉱石や木材、水力
発電所の増設による電力開発などで、急激に工業が発達し豊かな近代産業国となりました。大地主が占有していた農地も改革で個人に分配され、同時に牧場経営も増加してきました。
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1960年代末に国内旅行をした時には、広い耕地と馬や牛が解放されている、牧場を各地に見ることができました。そして牛乳会社の機械化により、牧場主
たちの組織は、牛乳を会社におさめる共同組合の形となり、だんだんと会社の勢力にコントロールされるようになり
ました。
価格が抑えられるようになり、小規模の個人経営の牧場主は経営困難となり、牛を手放していきました。今では経済的に余裕のある大きな牧場主のみが牧場を経営していますが、いまだに牛乳会社の力は強く、納入価格も厳しく統制されています。地域によっては、牧場そのものが無くなったしまった地域もあります。 |
今は全国的にエコー食品が人気となり、農家もエコ野菜やその他のエコ食料品の生産を進めています。牧場もその例外ではなく、エコ牛乳の生産を開始していますが、動物愛護の規定から、必ずしも安易な経営ができるものではありません。
牧場主も昔のように地域に貢献するという考え方では経営できなくなりました。利益を追求する事が大きな目標となり、牛乳会社との価格交渉も含めて、経営者として生きていかなくてはなりません。
スウェーデンの山間部や北部に旅行しますと、誰も住んでは居ない
、壁や窓も壊れ荒れ果てた家、今は牛の声も聞かれない屋根が傾いて雨漏りがする牛舎、昔はきっと多くの農民が働いていただろうと思われる耕地は、雑草の荒れ地となっています。
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大きな小枝のある木がある状態をみると、ずいぶんと長い間放置されていたものと思われます。牛乳生産の機械化により、数匹の牛で牛乳を
納入していた牧場では生活ができなくなり、跡継ぎの若者も都会に出て老人だけが残りました。その老人も高齢化で
介護をしてくれる者がいなくて、住み慣れた田舎から追い出されて、町の高齢者施設に入居しているのが現実です。 牛が草を食べながら歩いていたのどかな牧場風景は、今ではほとんど見られなくなりました。 |
高齢者施設を訪問した時に、田舎に戻りたいが戻ることもできず寂しい限りだと、お年よりが話してくれた言葉が耳に残っています。
下記の票は、以前に比較して、どれだけ牧場主が少なくなり、乳牛も少なくなってきたかを示したものです。数字は、牛乳納入者数を示したものです。
| 年 度 |
1940 |
1960 |
1980 |
2000 |
2005 |
2006 |
2007 |
2008 |
2009 |
| 納入者数 |
214 830 |
201 373 |
42 248 |
12 168 |
8 634 |
8 098 |
7 174 |
6 562 |
6 137 |
年々牧場が減っていくとともに、牛乳の生産量も減っています。EU諸国の安い牛乳に押されてスウェーデンの牛乳も敗退していく不安があります。
牛乳生産量年度比較 表:単位百万キログラム
| 年度 |
2005 |
2006 |
2007 |
2008 |
2009 |
| 生産量 |
3 163 |
3 130 |
2 986 |
2 987 |
2 926 |
( 2010年8月5日 記載 LRF 資料 8月8日 追加記載 )
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