スキャンダル,医療は必ずしも無料ではない:
日本でスウェーデンの医療福祉をを語る時に、医療は無料で受けられると理解してる人がほとんどです。このサイトでも、スウェーデンの医療治療は無料であると記載してきましたが、現実には病気の程度、病種、および生命への危険性の有無などにより、
手術の待ち時間は数か月から数年ということもあり、時には治療が受けられないことがあります。
経済不況によりスウェーデンの高福祉の象徴でもある医療福祉も、必ずしも無料とは限らない実例を記載します。
今年の7月に地域診療所に診察を受けたある60歳代の女性は、県の医療対策は口先ばかりだと、とても憤慨していました。地域診療所の医師に確認したところ、この女性の場合、昨年まで診察を受け治療を要すると判断された病気であるが、今年から県の医療機関から経費節約の指示があり、生命に危険の無い限り、患者を病院に紹介しないようにという方針だからと説明がありました。女性
の病気は、「下肢静脈瘤」(下記の参考資料参照)と診察されました。
歩行にも支障をきたし、長くたっていると足はむくれ、足首の部分は時々赤く充血してきます。しかし、地域診療所の医師は、動けないわけではないから、もっと悪化するまで、病院に手術の紹介をすることはできない、苦情があるならば政治家に言ってくださいと回答でした。政治家たちが約束したのは、保障された医療と、待ち時間の短縮でしたが、紹介
規定の内容基準をきびしくして、病院では対策により診察を受ける患者数が減ってきた、と自慢して報告している現実を見ると、政治家たちは、現状をどの程度把握しているのだろうかと疑問を感じます。
この女性は、足の病状は良くならず、歩行にも支障をきたすようになり、血管もさらに膨らんできたので、他人に汚い足を見せたくないと、夏場にもズボンをはいて
買い物に行っていました。地域診療所の医師の説明で、病院の紹介は受けられないと判断し、あきらめて私立病院に診察に行きました。ただしここではスウェーデン政府が保障する無料治療ではなく、全額自己負担です。
昨年診察していたら専門医療初診料 Skr 320:- 、地域診療所が紹介状を書いた場合の初診料は Skr 170:-
のみの支払いで、無料で手術を受けることができました。女性は症状が時々ひどくなり、自由に歩くのも困難になってきたからと手術を決心しました。その手術費用は全額で Skr 25 000:- で
した。長い間少しづつ定年後の旅行を楽しみにと将来のために貯金していたお金を、足の治療のために全額使うことにした女性は、何のために長い間働き、医療保険を国に支払ってきたのか、人を馬鹿にしていると
、政治不信に怒りを示していました。
| 地域診療所の医師の診察のとおり、止血状態とか、痛みがびとくなり、歩行困難になる迄待っていたら、治療の意味がない、それまでに死ぬかもしれないと嘆いていた女性は、
私立病院で3週間後に高い治療費を支払って治療を受けました。ようやく痛みもなくなり、足もむくれることなく歩けるようになったと、見せてくれましたが、スウェーデンの自慢でもあった高福祉も、経済不況には勝てなかったようです。
ここ数年国民の貧富の差は、ますます大きくなり、中産階級の人たちも経済的余裕がなくなってきていると、スウェーデンのランディステング・コミューン協会が発表しています。 |
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特に男性または女性の独身で子供を抱えている家庭は、夏休みに
、旅行に行くお金の余裕もありません。ましてや経済不況の影響で失業した、多くの若者たちの生活は、毎日ラーメンでしのいでいると報道されています。その一方で数ミリオン・クローネもするヨットやボートに乗って夏休みを豪華に過ごしている人も多くなりました。
金持ちは治療を待つことなく、私立病院で治療や手術を受けていますが、貧乏人は待つしかありません。これがスウェーデンの医療福祉の知られていない
、隠れた部分の実情であり、スウェーデンの民主主義と平等性は、今一度再確認する必要があるようです。
参考資料:「下肢静脈瘤」
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下肢静脈瘤とは
足の血管がこぶのように膨らんだ、足がつる、むくむ、疲れやすい、皮膚が変色した、かゆい…これらは下肢静脈瘤の症状です。
下肢の血液は、足の運動によって心臓に戻っていきます。また静脈には、血液の逆流を防ぐための弁がついていて、血液が重力に負けて下へ引かれ逆流しないようにくい止めています。この逆流防止弁は、足の付け根や膝の裏など、太い静脈血管の合流部で壊れやすく、これが原因で血液は逆流し、足の下の方に血液が溜まり、静脈がこぶのように膨らむのです。

【よくみられる下肢静脈瘤の症例1】 |

【よくみられる下肢静脈瘤の症例2】 |
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下肢静脈瘤広報センター資料より