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学校と教育 (2005年)

 
教育学部新規卒業生、教員就職は困難:

数年前までは教員不足で、新規卒業生は自分の就職先を選択することができました。しかし今は反対に大学の教育学部を卒業しても、教員就職先がなくなり新規卒業生は、就職先の競争となっています。

もっとも大きな原因はコミューンが経費節約で一部の義務教育学校を廃止し、学校統合が始まり、クラス生徒数を増加したり、地域の生徒が学校自由化により、有名校または私立学校に入学希望が多くなったことです。しかし、この自由化システムは、当初コミューンの政治家達が夢見た構想とは大きくかけ離れ、今では生徒を私立学校に取られた形になり、コミューンの公立学校は生徒不足で経営困難となり、一部閉鎖をしなければならなくなりました。

当然教職員が余る形になり、人員整理され、残った教員の仕事は増加し、しかも優秀な生徒は私立学校に移籍。問題児は私立学校が面倒を見ることが出来ないことを理由に入学拒否、結果的にはレベルの低い生徒、母子家庭の生徒、問題児、身体障害児が、公立学校に集まる結果となりました。

当然コミューンは、個人アシスタントなどが必要な生徒が増加、経費節約で、無資格教員を安く雇用するようになり、さらに有資格教員の就職は困難になってきました。当然学校教育のレベルは落ち、外国人の多い地域とスウェーデン人の多い地域による、人種差別化は増加しています。

さらに社会的経済力のある両親が住む地域と、経済力のない貧しい市民が住む地域との差は広がるばかりです。今のスウェーデンには10年前迄に言われていた、「全ての人に平等な教育が受けられる資格と権利がある国」ではなくなりつつあります。少なくても教育に関しては民主主義による平等性はなくなりつつあります。EU国内でも生徒の知識レベルは、今は低い位置を示しています。

教員組合の資料によると、2004年3月にストックホルム・コミューンの学校で、1490人の教職員の内、605人が無資格教員でした。1940年代に出生の教員が定年で退職した後、就職してくるのは、ほとんどが無資格教員です。学校長は政治家の厳しい経費節約の指示を受け、給料の安い無資格教員を雇用せざるを得なくなっているからです。

2004年に全国で教員募集は16000人でしたが、この数字は2003年よりも8000人すくなくなっています。2002年の30700人に比較するとよく、どのくらい教職の職場が少なくなったのか理解できます。

教員の失業者は増加し、2003年に比較して20%増加となっています。失業教員は、何年もの教員経歴を持つ者が多く、そのほとんどは就職以来始めての失業を経験しています。


特に若い教職員の職場は閉ざされた状態です。現在の有資格教員の失業者数は、全国で6500人に達しています。南部にあるタルクローゲン・スクールの学校長は、一人の教員募集に80人の応募があったと、過去に例のないことだと言っています。

しばらく学校教育問題を取り上げて記載していく予定です。

  ( DN.LT 2005年1月1日 記載 )

                        
                  

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