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学校と教育 (2007年)

 
公立学校民営化その後: その3

民主主義を無視した、公立学校の民営化

 

ヨーロッパ諸国の中でも、民主主義と人民全て平等および公平が唄い文句であるスウェーデンも、時代の流れとともに、そうばかりはしていられないのだろうかと疑問を持った事がありま した。ストックホルム県の北部に位置するテーヴィ(Täby)・コミューンの公立高校が、コミューンの議会の反対もあり、さらに学校職員の84%、在校生徒の76%が反対したにもかかわらず、現首相(穏健党)の妻が当時コミューンの会長(日本の市長に該当)を勤めていた昨年、半強制的に私立化しました。

 

コミューンの議会では、穏健党の議員以外は、全ての政治党派が私立化承認議会会議で棄権をして退去した後、穏健党議員のみにて強行に可決したものであり異例の処置でした。
 

さらに公立高校から私立高校に変更したり、公立高校を販売するにあたり、国の機関である学校庁の正式な許可 が必要にもかかわらず、許可の認定が下りる前に実施されたものです。この学校は、ティブル(Tibble) 公立高校で、現在もまだ私立化の学校庁認可も受けていません。


この学校を個人(会社設立)に販売するにあたり、全国県及びコミューン委員会の法律家が、明確に法律違反であると指摘しています。その 指摘の中で、昨年度の市場価格35−50百万クローネと計算されている高校を、ダンピング価格の8百万クローネで売り渡したものです。更に法律で規定する競争入札価格や公募をすることなく、当時の校長が私立化を希望し、同じ政党仲間であることから、その 学校長に公立高校を販売したものです。 コミューンは公立高校販売に際し、コンピューター、机、椅子、その他の教材と機材等は、規定により販売すべきものであるにもかかわらず無料提供をしました。これは言うまでもなく、一部の個人の利益のために無償であたえたものであり、明らかに法律違反でもあると、法律家は明言しています。

 

その校長は、私立化の説明会で明確に、職員に最低50%の賛成者が無い場合は、私立化には踏み切らないと公言をしたのにもかかわらず、校長自らその公言を無視しました。


また当然現在のコミューン会長も 、高校の私立化は何も法律違反していないの一点張りで、さらに現在も学校庁の認可も受けていないのに、既に認可を受けていると主張、TVのインタービューに答えていました。


政治家仲間同士の取引は、日本ばかりではなく、最も民主主義の国であると評価されているスウェーデンでも、お金が関係する時には、非民主主義方策も承認されるもの だと改めて思いました。 しかも、学校庁の担当者がTVインタビューで、明確に法律違反ですと答えながら学校及びコミューンに対して、未だになんらの対策も処理もしていません。

スウェーデンは、現在全国的に学校私立化が進められていますが、私立化により入学する生徒の家族の貧富による 差別化は更に明確になり、成績の良くない生徒および、移民者の子供を含む問題児、何らかの精神的または肉体的障害を持つ、生徒の入学を私立学校は受け付けないため、必然的にそうした子供は公立学校に集中することに なりました。

その結果クラスの統一は困難となり、本来の教育が十分出来ないと退職する教員も増加しています。その後釜として採用される教員は、低賃金で採用できることから、人材会社から派遣される無資格者が多く、学校全体のレベルは悪化する一方です。現在のスウェーデンは、 10数年前に比較して貧富の差はさらに大きくなり、移民者差別も増加し、経費節約で高齢者及び障害者差別も増加しているのが実情です。なぜか日本では報道されません。

 

ちなみに、ここ5年間でスゥエーデンの高校は私立化により、学期2001/2002年に19,000人の生徒から、2006年から57,000人の生徒に増加しました。これは全国の高校生の15%を示すものです。

 


  
( 2007年9月21日 記載 SVT.UG 参照 )


                        

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