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福祉情報(2005年)

  全国で経費節約から、サービスハウスの廃止が続き職員解雇が続く:

今年の7月にホームページ訪問者から、下記のような投稿がありました。

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先日 ストックホルム、マルメ、ルンド、コペンハーゲンの介護施設、高齢者住宅を見学してまいりました。民間委託施設の実態があなたの『民営化その後』のイメージとはだいぶ異なる印象を持ちました。案内を御願いしたスウェーデン人、および在瑞30数年の日本人の方も一緒に施設見学及び通訳をして、民営化の実態をはじめて知ったようでこの二人が驚いておりました。また、あなたのHP上の掲載文を持参し、通訳の人に訳してスウェーデン人に話しましたら、これは民営化直後の古い話で5年毎にきな見直しをしている、ことをうかがいました。HP上、掲載する場合はもう少し実態をみて掲載ください。間違った情報を日本に伝えます(私もそのように思っており期待しないで視察に行きましたが、先進国は変化しております。)新鮮な情報を御願いいたします。
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ご意見は、ごもっともと思い、現場を再調査しました。まず、記載した内容は、5年も前の古い内容ではなく、2004年や2005年の記事です。言うまでもなく、一部の通訳の方は高齢者福祉の現場を正しく知ることなく、ただ職員の説明を通訳しているに過ぎません。また、施設側も当然勤務する施設の欠点を公表する事は、自分の首を締めるようなものであり、外国からの訪問者に内部事情を正確に報告する事はまれです。友人に自分の家のトイレを優先して見せる人がいないと同じことと言えます。

現実には、民営化の影響は更に悪化しています。今までが素晴らしいシステムと、経済豊かな時代に建設し整った施設であり、訪問者はその施設の内装や部屋を見学しても、内部事情は見えません。民営化により悪化したとは言え、それでも、日本の高齢者福祉の現状と比較すれば、スウェーデンの福祉は、日本とは数年の開きがあります。民営化による職員削減、税金節約などは現在も続き、退職させられる介護職員はあとを絶ちません。この点を通訳の方達がどのくらい把握しているかにより、その説明も当然異なってきます。もともと、、欠陥や問題を抱えている施設が、外国からの訪問者を受け入れる事はありません。少なくても、訪問者を受け入れる民営施設は、現在順調に経営がなっている施設と判断できます。しかし、それは、全国的には、数少ないものです。

政府の方針より、2003年から、サービスハウスの廃止が続いています。民営化で経営していたサービスハウスも例外ではなく、契約期間が過ぎた時点で、どんどん廃止されています。つまり、現在ではサービスハウスではなく、65+と呼ばれる、65歳(注:スウェーデンの定年数)以上の高齢者が入居できる、制限付きの高齢者用アパートとなりました。(高齢者住宅65+に付いて詳しく知りたい方は、「ここを」クリックしてください)何らかの介護を必要とする高齢者が入居していたサービスハウスが廃止されても、それまで入居していた高齢者が希望する場合は、そのまま入居できますが、当然介護援助は24時間体制で勤務していた職員はいなくなり、一日に数回となる、ホームヘルパーの訪問介護に頼ることになります。

ある施設では、68名入居していたサービスハウスでは、廃止後6種のホームヘルパー会社が入居者と契約しています。そのため、今までには無かった事故なども発生しています。例えば訪問介護している職員は、隣の部屋の高齢者とは、会社が契約をしていません。そのために、隣の部屋に入居している、高齢者の健康状態など把握はしていません。その部屋の高齢者が、ある障害で部屋の中で倒れ床に寝たきりとなり、腕のアラームを鳴らす事が出来ませんでした。数時間後ようやくにして、他の契約会社のホームヘルパーが来た時には、高齢者の身体は冷えており、病院に運ばれた数日後に亡くなりました。福祉課の調査では、隣の部屋に訪問介護をしに来た、他の会社の職員は、物音を聞いて不信に思いましたが、契約している高齢者の部屋ではなく、その部屋を訪問しませんでした。以前のサービスハウスでは、こうした事故はありませんでした。

サービスハウスの廃止は計画通りに続き、例えばサンドビイベル・コミューンでは、昨年900万クルーネの利益のあった高齢者施設を、今年廃止するために、昨年に続き20名残っている介護職員を、年末に退職させることに決定しました。つまりこの高齢者施設のみで、2003年に勤務していた60名の職員を全員退職させることになります。

これは一例ですが、全国各地で実施されているものであり、民営化で経営していた、ある高齢者施設では、経営困難から今年のみで2回会社が交代しました。以前サービスハウスに入居できた高齢者は行く先もなく、家庭で介護訪問を続けて受けなくてはなりません。つまり介護の質の低下となり、多くの高齢者が法律で保障されている介護を受けられないまま、自宅で一人孤独な生活を余儀なくさせられています。

民営化の影に、職員の勤務状態の悪化や犠牲が強制させられていることを、日本からの訪問者には知っていただきたいと、ある職員は訴えていました。しかし、その実態を聞く、日本の訪問者はいないでしょう・・・。

   ( 2005年12月4日  記載 )

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