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福祉情報(2006年)

  ホームページ訪問者からの質問に解答:その3.

質問:
脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症、精神障害による認知症など、タイプによる対応の違いを教えて欲しい。

解答:
まず、大切なのは、認知症の種類を正確に把握することです。

脳血管性認知症の場合、リハビリによって、日常の社会生活に復帰することも可能であり、半身麻痺で動かなかった手足が、リハビリによってある程度回復させることも可能です。これは、言語障害や、運動障害を持っている場合も、回復させることが出来る可能性は、とても大きいものです。さらに普通は、言語障害を起こしていても、相手が話す会話の言葉の理解力は、ほとんどの場合保存されています。返事をするのに適切な言葉の選択が困難なために、相手が求める返事が出来ないことが多いですが、これは必ずしも理解力の低下ではありません。

また、その障害の度合いおよび、脳神経の障害の場所によって、言葉の理解と選択に時間がかかる人もいますが、これは認知症による直接の影響とはかならずしも言えません。そのために、必ず定期的な検査をして、本人の残されている部分と、破壊された部分を明確に把握して、リハビリなどを根気よく、続けることが大切です。私の友人の場合は、当初家族はまったくあきらめていましたが、このリハビリにより、回復した部分が多くあり、最初全身麻痺に近く、寝たきり状態でしたが、今では杖を利用して一人でトイレに行けるようになりました。そして、アルツハイマー型認知症と異なり、治療がある程度可能であること、社会的生活にそれほど障害がないこと、普通の高齢まで長生きすることです。

次に、アルツハイマー型認知症の場合、現在の医学では、障害の進度をある程度抑えることができますが、まだ治療してよくなるまだにはなっていません。しかも確実なのは、初期段階から重度の段階になり、人生の終末期を迎えるのは、その障害の進度と、本人の肉体的な健康状態によりますが、普通10年から15年ほどで死亡します。
初期の段階は、皆さんもすでにご存知の通り、なかなか正確には発見することも難しく、やはり早期に疑いを持った時点で、医師の診断をしてもらうことです。初期の段階では、認知症の進度をある程度抑えることが可能ですが、完全なものではありません。しかし、本人の日常生活および社会生活には大きく影響を与えます。

初期段階で、家族がしなくてはならない事は、本人の記憶がまだ健康な時に、本人の過去におきた人生について、出来る限り詳しく記録しておくことです。これが中度の状態から、重度に進んでいく時の、徘徊、叫び、暴力、精神不安定、理解できない行動など、原因を知ることの出来る貴重な資料となります。家族関係、戦争により兄弟や父母の死亡、けが、子供が先に亡くなっている等の場合は、その内容と原因および状況など詳しく記録しておくことが大切です。友人関係、職場、職種、会社の移動、その時期などいろいろな情報を聞き出しておくことです。本人に記憶がない場合、本人の兄弟や家族からも聞いて記憶しておくことです。これらがすべて、後日本人を理解する大切な資料となります。相手に刺激を与えるような言葉は絶対に使わないことです。例えば「最近物忘れが多いね。」とか「メガネはここにあるでしょう。本当に最近だめなんだから」などの会話は、本人を精神的に追い込むことになり、本人の生活意欲をなくし、さらに落ち込むことにより肉体的活動もなくなり、進度を速める結果となります。

また、アルツハイマー型認知症の特徴は、進度するに従い、本人の精神年齢が下がっていきます。つまり過去の時代にさかのぼっていくことになります。本人は青年時代から少年期にもどり、それから幼年期となり、そして幼児期となっていきます。そしてその幼児期に戻りますと、人生の終末期を迎えることになりますが、注意を要するのは、肉体的には、目の前にいる人は高齢そのままです。つまり言葉使いなども、子供を相手にするような話をしますと、本人は自分を馬鹿にしていると理解し、暴言や暴力をふるい、時には反対に何も相手をしなくなり無口となります。あくまで、本人の年齢に相応した高齢者に対する話し方をすることが大切です。少年期から幼年期にはいりますと、行動が理解できないことがありますが、先に説明した本人の過去の記録があれば、それらの原因を把握することは容易になります。


精神年齢が戻っている認知症高齢者と話をする時、相手の話をゆっくりと聞いてください。先に答えを催促したり、いそがせるような質問はしないでください。相手の目と同じ高さ、または下から上に眺めるように話をしてください。時には、相手の手を軽く握ることも必要です。また相手にふれる時は、ゆっくりと、特に肩に手をかけたり、身体にふれるときは、肩と腕のひじまでの間をふれるようにしてください。

それ以外の場所(背中など)にふれる時は、相手にその準備が出来てから触れてください。
認知症の人が声をかけたら、どんなに忙しくても、すこし立ち止まって聞いてあげてください。それから「忙しいからまた来るね」などと説明すれば、納得してくれます。何も聞かないで「後で来るよ」と立ち去って行くのは、相手に信用されない状況を作るのみです。徘徊対策は、施設内に設備するこみとにより、外出そのものを避けることが出来ますし、職員の負担も少なくなります。

アルツハイマー型認知症の高齢者と話しをする時に、二つの事を同時に言わないでください。ひとつのことを話、行動し、それが終わってから、次の指示をするようにしてください。例えば「お茶を飲んだら、ここにお菓子があるから食べてね」と言われても、本人は、その二つの関連性が判断できません。必ず、まずお茶を飲ませます。それからお菓子を出して食べさせるようにします。外出の時も「今日はお店に行って、それから買い物して、帰りにお茶を飲もね」と言っても本人は、お茶が先で、その後買い物なのかなど、順序だてて行動を計画し判断することが困難で、結局は何も理解できないことが多いです。

食事についても同じことが言えます。介護の質問の中で、本人が食事を食べ終わったにもかかわらず、家族が食べ始めると「私も食べたい」と言う事があり、家族が「今食べたばかりだよ」と説明しても、本人は納得できない事が多いです。その場合の解決方法としては、まず家族と本人が一緒に食事をし、本人よりも家族が先に食事を終わり、本人が後になるようにすると、本人は自分が最後ですから、差別を受けて食事が出来なかったと、苦情を言うことはなくなります。
簡単な介護の一例:
高齢者の便秘や下痢について:
暴れたり、いらついて怒りやすいなどの原因に便秘があります。
便秘で悩む人には、コヒーを飲ませると便がやわらかくなり、つうじやすくなります。下痢で悩む人には、濃い紅茶に砂糖を入れないで、飲ませると硬くなります。あまり続けて飲ませないことに注意、便秘になります。(イギリスの紅茶とミルク)

最後に精神障害による痴呆症の相手や介護をするのは、専門の知識を必要とします。必ず教育を受けている人と一緒に介護をしてください。例えば、
認知症老人の暴力行為の中に、精神症状が原因である場合もあり、専門医に相談をすることが必要です。


( 2006年7月15日 記載 )

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