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福祉情報(2007年)

 


ホームヘルパーにも I T システムを応用:


在宅介護の提供を民営化により、介護業者に業務を委託する上で、いつも問題になるのは、果たして契約通りの介護を高齢者に提供しているのか、時間はどのくらい掛かり、何の作業や介護を実施したのか等を、コミューンが正格に把握出来ないことです。当然企業から提出される書類審査で、コミューンと業者とは、相互の信頼感で実務処理され、その業務に対してコミューンは経費の支払いをしています。

しかし、介護を受けている高齢者家族から、高齢者が食事をしていなかったり、部屋の掃除もされてなく、オムツ交換もされず濡れたままであったなどの苦情が多くなり、さらに書類では訪問しているのにもかかわらず、実際には訪問をせず、その間に各種の事故が発生したりして、必ずしも書類通りには、訪問や介護が実施されていないことが判明しました。

コミューンはその対策に頭を悩ましていますが、あるコミューンでは、その解決策として全国で初めて、ホームヘルパーの訪問介護の処理報告を、今までの書類によるものから、電子ペンを活用して、全ての作業をコードをなぞらえることにより、記録がされるITシステムを、昨年2006年に採用しました。

このシステムのために、特別なコード付き活動報告書が作成され、この書類はホームヘルパー自身と、会社の担当者およびコミューンの福祉課、さらに要護判定委員の元にも同じ書類があります。

ホームヘルパーは作業終了後、事務所または自宅からコンピュータにペンから作業内容を入力すると、毎回各担当者のコンピュータに自動的に報告されるものです。
このシステムにより家族から苦情が来た場合、実情を明確に把握でき、家族に訪問時間、介護内容、その他の状況を明確に報告できるようになりました。さらに家族は遠く離れている自分の両親に対する介護が、どのように行われているのかを把握できることから、安心できるなど利点が多くあります。

しかしホームヘルパーの評判あまり良くはなく、その例としてあるホームヘルパーは、家庭訪問した時にドアーの横に貼り付けてあるコードをペンで読み込み、部屋に訪問したことを記録します。

そして各種の契約に基づく介護を処理する度にペンで書類のコードをチェツクして、記録させなければなりません。その時の高齢者の健康状態などにより、予定外の介護も必要となったり、時間も予定異常にかかることもあります。
入室および外出時にペンでコードを
なぞらえて記録させる
あるヘルパーは、さらに部屋から出るときに、今までの習慣で老人と話しながらそのまま部屋から出て、次の訪問宅に着いてから、前の部屋を出る時にペンで作業終了の記録を忘れ他事を思い出すことがあります。後で説明書を添付しなくてはならないなど、書類作業が面倒になってきたと話してくれました。

ある程度慣れるまでには、時間が必要であると思われます。
実物大のコード

他のホームヘルパーからは「会社との不信感や問題発生も少なくなり、事務的に処理すればよいから楽になった」という意見も聞かれました。その反面常に会社からコントロールされているという意識は、以前よりも強くなったと、全てがよいとは限らないと言っています。

コミューンは、このシステム導入のために、数ヶ月を要してコミユーン内で勤務する、全てのホームヘルパーに対してITシステムと社員教育を無料で実施しました。
一年後に、このシステムの評価報告がされることになっていますが、その結果を見て他のコミューンでも、同じシステムを取り入れるかどうかを検討することになっています。

このITシステムの利点は、単に介護企業の会社が、ホームヘルパーの活動を監督するのみでなく、コミューンの要介護判定委員の判断の調整が出来ることです。例えば高齢者の障害度、行動能力などにより、何の介護が必要で、それはどのくらいの時間が必要なのかを確認することが出来ます。また一日の内に、何時に訪問したら良いのか等の判断資料にもなります。それにより、単に家族の必要以上の要求に対応することなく、高齢者にとって本当に適切な介護であるのかなども統計的に知ることができ、無駄な介護によるホームヘルパーの労働負担を少なくし、経費の節約が出来ます。

各家庭には、コードによる個人番号が指定されており、どのホームヘルパーが訪問しても、同じコードを読み取ります。また各ホームヘルパー等には、自分の職員番号をペンに記憶してありますから、これにより同じ家庭に何人のホームヘルパー、准看護、作業療法士など誰が、何時に訪問したかも知ることができます。これは家族に情報提供資料となり、安心感を与えることになります。

そして、この資料は医師の診察判断の基礎資料ともなり、活用範囲はとても広い事にあります。


   ( 2007年2月24日 記載 写真提供:SK )

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