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福祉情報(2007年)

 


民営化その後: 1.

1992年のエーデル改革後、大幅に進められたのが、高齢者福祉を含む社会福祉事業の民営化(民営委託化と呼ぶのが適切かもしれません) でした。政府の民営化推進により、今まで国またはコミューンが担当していた、学校教育や高齢者福祉が民営化され、民営会社が各方面で進出してきました。

コミューンが最初に民営化を計画した時には、当時高齢者施設で勤務している職員の人員整理計画に伴い、退職させる職員の失業対策を目的として、 退職後の職場の確保を保障するために、当時AVKNOPPと呼ばれる各種のコースを発足しました。

これは職員が自営できるように、退職前に、特に福祉の職場を民営化で自営できるようにと、会社経営の仕方、福祉に関する法律、経理、税金、組織、各種手続きの仕方、民営化によりコミューンが委託業者を選択する時の入札の仕方など、元コミューンの職員を対象として無料で教育しました。

しかもコミューンは組合との談合の基に、優先退職を希望する職員には、その見返りとして、勤務中に給与の削除無く、講習を受けられる事にしたため、各地で実施される講習は、毎回希望者で満席でした。地域によっては希望者が多くて、講習を増加したコミューンもありました。

ところが職員の多くは素人の集まりであり、にわか教育を受けたのみの職員たちは、福祉企業の市場を狙って進出してきた、大企業には 対抗できず、その結果ほとんど入札価格は、職員が提出した価格よりも低価格でした。講習中は入札価格に左右されることなく、職員が自発的に経営する組織に優先的に仕事を提供すると約束したにもかかわらず、入札の結果は 大企業に確定し、コミューンの約束は政治的公約のみで何一つ守られず、実際には価格競争で明確となりました。

入札で経営を確保した大企業は、経営開始当時、今後の先行きに対して不確定であることなどから、経営は注意深くコミューンの指示に従い、職員の整理は、「その施設の職員採用を優先し、現在勤務している職員に、最低一年間の職を保障すること」の契約に従っていました。

それから数年過ぎて、企業は効率的な経営と利益還元を目的として、まず経費節約を推進してきました。

コミューンの入札時による契約で、入居者に対する介護の節約や 、必要備品の一部廃止をすることは違反となり、実行することが不可能でした。経費節約は職員整理しかないと理解した大企業は、一 社が合理化を促進を開始すると、他社もその路線を推進し、大幅な職員整理を実行しました。

例えば施設の受付職員を廃止、掃除も外部委託、それまで介護職員一人当たりに、入居者の比率が0.6−0.8が普通であったものが、徐々に厳しくなり、現在では、職員一人当たりの入居者比率は、2.5−3.0となっています。この数字は施設によって異なります。

しかし、結果としては、一人の職員が介護する入居者数は、大幅に増加しました。その結果職員の一人当たりの介護時間がすくなくなり、十分な 介護が出来なくなりました。どうしても手抜きが多くなり、介護のミスによる人身事故も 、各地で発生するようになりました。

その都度会社は「何らかの対策をします」と約束はしますが、時間の流れと共に、何も無かったように、以前よりもさらに厳しくなっているのが現状です。

今年2007年6月には、ストックホルムの北部にあるテービィ・コミューンにある、ガン患者専門介護を経営している会社の医者数人が。本来の医療介護が出来ない事を理由として退職しました。低価格入札で経営確保した会社の、一番の原因は経費節約が限度を超えてたことです。

ちなみに、コミューンが公開している、当時の入札価格を記載しますと、下記のようになります。数字を見ると明確なように、入札価格には大きな差がみられ、この数字では明らかに良質な介護医療は厳しいと判断され、コミューンの入札担当者の認識および経験不足が強く批判されています。

当然のことながら、コミューンの入札担当職員は、なんらの問題やミスはしていないと責任回避をし公言しています。入札で経営権を確保したのは、Förenade Care AB で、この会社はデンマークのDanska Förenade Service  会社の子会社です。ホームヘルパー派遣の、家庭介護分野の経営もしています。この会社に限らず同様な問題は、全国各地で発生しています。果たして、高齢者福祉の民営化は妥当であったのか、今多くの関係者は疑問を投げています。

入札した会社名 会社が申請した入札価格 Skr
Nackageriatriken  AB 98 425 000
Legevisitten  AB 86 678 200
Förenade Care AB 65 861 600

( 2007年6月14日 記載 SDB.SVT.SOS. DN)

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