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福祉情報(2009)

 
政治家たちの約束と現実の相違:

認知症および要介護高齢者で高齢者施設に入居している人たちの中には、施設から何か月も外出をしていない人たちがたくさんいます。 経済不況と職員整理が、その主たる原因です。 さらに施設のみにかぎらず、在宅介護を受けている高齢者で歩行のために補助器具を利用したり、車いすを利用している高齢者たちも、外出はほとんどできません。アパートのバルコニーにも出ることはできず、窓越しに外を眺められるのみです。

その他の介護問題も時々マスコミよって暴露されています。サラ法もレックスマリア法も、何の効果もないまま、時は過ぎていきます。なぜならば、高齢者施設内で問題が発生しても、責任者やコミューンの関係者は 、何らの法的な処罰を受けず、罰則規定もないからです。日本の 一部の不始末をしている会社の社長のように、市民や家族にたいして「すみません」と言うことも、また頭を下げることもありません。 両手を広げ肩をすくめて、それで終わりです。
 

公的なことに関しては、スウェーデンの管理者や責任者は、絶対といえるほど責任を認めることはなく、常に他の理由を説明して責任逃れをするのが普通です。 自分が間違いをしたのではなく、職員がしたことであれば、その職員の問題として説明し、上部に立つ監督幹部としての責任すら取ろうとしないので普通です。


認知症高齢者施設の普通の設備、部屋:


民営委託化が始まって、今年で17年になります。その間にはいろいろな問題が発覚し、そのたびに施設の責任者やコミューンの政治家および、政府の関係者は、「残念ながらそうした問題があってはならないことです。早急に改善するように 指導し努力します」と答えてきました。いまでは、それが言い訳の流行語までになっています。

最近国営のテレビ放送局SVT(日本のNHKに相当)に、高齢者施設の問題点を暴露したドキュメントが報道されました。国民の反響は予想通りに大変に大きなものでした。高齢者を施設に預けている多くの家族から、同様の苦情が伝えられました。施設に直接言えば、入居している家族が十分な介護を受けられないこと、さらに 、時にはいじめられることを心配して言えないのです。

日本から毎月のように高齢者施設の見学者がきます。見学者が視察する施設は、見学を許可するだけのある程度のレベルを持っている施設です。施設は日本に比較して明るく、広く、入居者が集まる部屋も余裕があり、食堂も整っています。入居者の個室も個人が自宅で生活していた当時の 、使用していた家具や絵画などがあり、ほとんどアパトー同様な設備でとてもきれいです。


落ち着いた雰囲気、笑いのあるディセンター:

 


個室には小型のキッチンや トイレ付きの広いシャワー室もあり、そうした施設を見学する人たちには、スウェーデンの高齢者施設で問題があるなど予想もつかず、 「素晴らしい」の言葉を連発して見学し帰国していきます。しかし、他の施設では想像のつかない、問題のある部分を見逃していることには、気がつかないのがほとんどです。 施設長も通訳も、問題点には触れません。

 

そうした表面的な面を見る限り、スウェーデンの高齢者施設は、施設訪問者の目には素晴らしく写ります。しかし、本当に、スウェーデンの高齢者施設に入居している高齢者は、人生の終末期を幸せに過ごしているのでしょうか。

家族が施設を訪問し、希望を申し立てても、職員不足や時間がないことを理由に無視されている現実は、すくなくとも高齢者が幸せな毎日を過ごしていると は思えません。もちろん、多くの施設の中には、職員ができる範囲内で努力し、良い介護をしている施設もあります。

しかし、職員と話すとき、ほとんどの職員は、人員整理で労働の増加と、高齢者介護に十分な時間のないことを言います。二階建で4ユニット、入居者32名というある施設では、夜間は職員が一人 で勤務しています。一人の高齢者にかかわっている時に、他の入居者がアラームを押しても、本人の部屋に行くことは出来ず、排尿をしても、すぐに おむつ交換する時間はなく、数回するまで待たせていると言います。そうした内情は、視察訪問する日本の人たちには、施設側は説明しませんし、職員も上司からにらまれるのが不安で実情を話してはくれません。

参考までに、この施設の職員の勤務時間を記載しました。この施設は、1ユニットで認知症高齢者が8名入居しています。それぞれに個室があります。多くの施設はこのような勤務状態です。
 

 勤務時間帯   人数
 07:00 - 16:00   2
  12:00 - 21:00   1
  16:00 - 21:00   1
  20:45 - 07:15  (夜間)   1

 

次のページでは、施設から何か月も外に出ていない入居者、毎日廊下を人と会話することもなく、行ったり来たりして一日を過ごしている、施設の中で孤立化した生活をしている高齢者の実情について記載します。

  
( 2009年5月10日 記載 )

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