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福祉情報(2009)

 
施設の中で孤立化した生活:

 

清潔で設備の整った、素敵な家具の調度品があり、絵画が平然と壁にならんでいる部屋を訪れる、ほとんどの日本の訪問者は「なんと素敵なきれいな部屋に、高齢者は住んでいるのでしょう」と「住んでいる方は幸せね・・」と言います。すくなくとも、その部屋を見る限り 、とても恵まれた高齢者施設で生活をしていると思えます。

 

事実そうした認知症の高齢者施設は、各地に存在していますが、全ての施設が素晴らしい介護をしているとは限りません。

 

現実には高齢者の増加とは反対に、コミューンは経費節約から、24時間常時勤務する介護職員がいるサービスハウスを廃止したり、認知症高齢者施設を縮小したりしているのが現状です。例えば、ストックホルムの北部にあるスン ドビィベルグ・コミューンでは、庭付きの平屋で、湖に近い静かな認知症高齢者施設を廃止しました。その跡地には、高級住宅のマンションを建てました。その方がコミューンの税金収入の増加が見込まれるからです。住みやすい高齢者施設を追い出された、認知症の高齢者たちは、以前病院だった建物を改造した高層建築の施設の中に、家族の反対を押し切って経費節約が必要と、127人もの高齢者たちが住む集団施設に追い込まれました。
 

その施設の中にはナンシーホームであるシュークヘム、認知症高齢者のグループホーム、重度の知的障害者ディセンター施設などがあります。3棟の高層住宅ともいえる施設は、一階で相互の建物に移動できるようになっていますが、各建物はそれぞれの民間福祉企業が経営しているので、相互の交流は基本的にはありません。共同で利用されているのは、コミユーンが経営する図書室と家族の相談室で、食堂は民間企業が経営し、施設の高齢者への食事提供と地域の在宅高齢者への宅配をしています。

 

前ページに記載した、マスコミに介護問題を暴露された施設は、他のコミューンですが、この施設でも職員不足から、天気の良い日でもほとんど外出をすることはできません。各階の廊下のドアーは施錠され、エレベータに乗ってもコードが分からないと乗り降りができません。
 


マスコミに取り上げられたスウェーデン南部のヨーテボルグにある施設では、認知症高齢者が入居してから2年の間に、職員と外出をしたのは記録によると、わずか一度のみです。同じ施設に入居した他の 高齢者は、入居以来一度も外出をしたことがないと家族は説明、記録にも外出したことは記載されていませんでした。施設の書類には、明確に一日に最低2−3回は、職員が同伴して散歩すること記載があるにも関わらず、施設側は職員不足で時間がないと説明しています。

さらにその女性は入居後、認知症症状が悪化し、投薬によってバランス障害を受け、数回にわたる転倒をしました。病院に緊急入院するほど怪我をしたのにもかかわらず、その後も職員が廊下の移動に同伴することなく、何回も転倒するために、今では頭からすっぽりと被る、やわらかいヘッドカバーをしています。(写真参照)

またある家族は、入居前に毎日数回散歩していた男性が、家族が介護をすることができなくなり、施設に入居させた後、確認をしたところ、一度も外出や散歩に出たことがなく、足腰が急に弱くなってしまったと報告しています。

 

社会サービス法によれば、すべての高齢者は健康維持する権利があると保障していますが、現実は全く無視されています。

 

犬や猫の飼い主は、動物たちが孤立しないように、毎日数時間散歩させたり、何らかの活動をさせなくてはならないと規定しています。また牧場に飼われている馬や牛、羊などは、毎年5月1日から10月15日の間には、一日に舎の中にいる時間と同時間、外に出さなくてはないらないと規定があります。

それを守らないと、飼い主や、牧場主は、刑罰または罰金を支払わなくてはなりませんが、高齢者施設では、一年に一回も高齢者を外出させなくても、なんらの刑罰も罰則もありません。つまり高齢者よりも、動物たちの方が、大切にされていることになります。

ただし例外があり刑務所にいる犯罪者は、一日最低1時間の散歩時間が法律で規定されており、さらに毎日、自由時間に適切な活動を、刑務所は提供をすることとなっています。ある家族は、テレビのインタビューで、「年老いた母親は、施設でなく刑務所に入る方が、人としての権利を与えられて良いのではないか」と、コミューンの責任者に抗議していました。

 

 

  ( 2009年5月10日 記載 )

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