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福 祉 情  報(2012年)

   

経費節約が優先され、高齢者のための介護とは名ばかり:

 

昨年110月11日に、全国日刊新聞社DN(Dagens Nyheter)が、全国に高齢者介護を展開している民営企業カレーマ(Carema)高齢者施設における、介護の手抜きや経費節約における各種の問題が暴露された後、全国各地からも同様の介護問題が報道され、ストックホルムのコミューンのみでなく、他地域のコミューンでも、カレーマ福祉企業との高齢者施設運営の契約破棄をした所もありました。無謀な高齢者介護が次から次へと暴露され、大きな社会問題となり、いいことばかり宣伝をしていた政治家たちも、やむなく改善対策に乗り出したのもつい最近の事です。それにもかかわらず全国で、現在も高齢者介護問題が常にマスコミによって暴露され報道されています。

日本のマスコミで報道され、一部の研究者たちが、スウェーデンの高齢者システムは素晴らしいと講演しているほど、高齢者社会は理想郷ではありません。高齢者の中には恵まれた年金で、優雅な老後の生活をしている人もいます。しかし、年金高齢者の中で、就職していたころ低給与で勤務していた人たち、結婚後子供を育て家庭の主婦として生きてきた多くの女性は、最低保障年金で生活し、一年に一度も映画を見たり、観劇に行ったり、外出してレストランで食事すらしたことが無い人も多くいます。

 

その高齢者たちは、住居手当を受け、社会保障手当を受けて生活しています。要介護になっても、施設は満員で入居できず、古いアパートの部屋で、一日に数回訪問してくれるホームヘルパーを待ちわびて、毎日を過ごしている高齢者も多いです。その人たちは、以前は買い物や散歩にも、職員が一緒について外出することもできましたが、今は経費節約でほとんど外出することもありません。車椅子生活を余儀なくされている老人は、自分が住むアパートのベランダにすら、一ヶ月に一度も出たことは無いと言います。

 

政府の高齢者大臣は、すべての高齢者は自分で入居したい高齢者施設の自由選択権があると唱えてはいますが、絶対数が足らない現況と、実際に入居するには地域のコミューンの福祉課による査定で認可されないと入居できません。つまり政府のうたい文句とは大きくことなり、現実にはどこの高齢者施設にも入居できないまま、独居生活を続けて亡くなっていく高齢者が多いです。政府関係者は、それはほんの一部の高齢者だと言い訳をしていますが、現実にはそのほんの一部の高齢者と言われる人が多数いるのです。


最近の事例では、高齢者施設を経営する民営企業アテンド(Atendos Äldreboende)において、高齢で自分の夫の介護が出来なくなった主婦が、コミューンの推薦する高齢者施設アテンドに入居させたが、期待した介護は受けられずあまりに酷い介護に、マスコミに訴えて暴露された介護問題があります。いつものことながら経営者は、いろいろと言い訳や説明をしていますが、現実には経費節約で最低限度必要とされる職員の配置がされていないことが、原因と報道されています。

 

 

その施設に入居した夫を高齢者室に入居したことを後悔していると語る主婦によると、数回小便をした形跡があり、、おむつは濡れたまま交換されず、シーツには大便が付着しており、ベッドから落ちて軽い怪我をしていたと言います。最近では転倒して頭をベッドで打ち、耳も良く聞こえなくなったと言います。主婦は高齢者施設とは介護をするところであり、放置生活をさせるところではないはずと抗議しています。

 

こうした問題は、いまでは少しも珍しくはなくなりました。政治家たちや、高齢者福祉会社が宣伝しているほど、高齢者の人権を守り人間らしい老後の生活保障は、うたい文句にすぎません。もちろん高齢者施設に入居できて、職員の介護を受けて満足している高齢者も多くいますが、その陰に隠れて十分な介護を受けられない高齢者が、多数いることを忘れてはならないと思います。
 

必ずしも民営化以前のコミューン経営の高齢者施設が万全だったとは言えませんが、民営化になって良かったと一部の政治家達が自慢するほど、高齢者介護が良くなったとは思えない部分が多いです。民営化で一番利益を上げたのは民営企業であり、一番負担を受けたのは税金を吸いあけられている国民ではないかと思います。
 

 

 ( 2012年9月28日 記載  DN 資料参照 )

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