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福祉情報(2004年)

 
高齢福祉環境監督委員会の報告書から:

その1: 30箇所の高齢者施設が検査の結果厳しく改善要求と忠告を受けた。


昨年、ストックホルム県庁に設置された、高齢福祉環境監督委員会の報告によると、県内に存在する約400高齢者福祉施設の内、視察調査を終えた100高齢者施設、及び30のホームヘルパーセンターに対しての結果報告が公表された。この報告書には、さらに1000人を超える高齢者及びその家族に対するインタビューの結果報告も含まれている。

報告書によると、30の高齢者福祉施設は、不適格な介護及び高齢者の人権を侵す言動がなされていると厳しく批判し、早急に改善するように要求した。また特に名指しで7箇所の高齢者施設を公表し、改善要求を書類でもって期限付きで提出した。

改善要求内容を見ると、高齢者に対する介護職員のモラルの低下と応対の仕方が人権を無視していると指摘している。施設によってはアラームが整備不良で使用不可能、部屋の装備が低いレベルであり、高齢者の個人記録は、不備かまたは人権蹂躙と疑われる内容が記載されていると、強く批判している。

施設によっては、監督委員の目の前で、人権を無視した介護がなされたと指摘、モラルの向上のために、職員の教育が絶対に必要であると指摘している。監督委員は、まさか自分達の目の前でそうした行為がなされるとは予想していなくて、非常に驚いたとも報告している。

一部の高齢者施設では、報告書の通り問題のある施設もあるが、全体的には高齢者は施設に対して満足感を示し、家族も納得した介護がなされていると報告している。

インタビユーの中で、施設に入居している高齢者は、「一日が長く、楽しくもない変化のない生活をしている。」、「誰も何も言わず会話の時間も無い毎日で、ここはただ死ぬのを待っているだけの場所だ。」、「何も変化の無い毎日で、何かをしたいと思っても、誰も何もしてくれない。一日中テレビの前に座り、寝ているだけ」、「天気の良い日も、一度も外出していない。」など苦情が多い。

報告書の中で、注目に値するのは、各種の施設に入居している1000人を越える高齢者は、個別の部屋を与えられていないと指摘していることであり、プライベートの生活が保障されていないと公表。その内訳(2003年、10月の調査時)を見ると、ストックホルム・コミューン内のみで625人、県内の他地区で401人あり、特に多いコミューンは、Haninge,Huddinge 及び Norrtälje である。
また、本人達の希望に反して、2003年4月の視察では、75人の高齢者達は、一部屋に3人が同居生活をしていた。

他の高齢者と同居している老人は、「せめて寝る時くらい静かな部屋で寝たい。」、「今まで他の施設にも入居した事があるが、他人と一つ部屋で同居したのは初めて。」、「夜中に叫ぶ老人と同居しなければならないと知った時は、ショックだった。」、「同居人とうまくいかなくて、落ち着いて生活できない。」、「ここは家庭的とは思えない、まるで病院にいるようだ。」、「手洗いも、トイレも、シャワーも全て分け合って使用するために、個人の生活がない。」などと苦情は多く、家族の評価は最低であると報告している。

今までスウェーデンの高齢者施設は、全ての入居者は個別の部屋で生活していると思われていたのは、誤解であったことだ。ここには経済不況による経費節約の影響が顕著に示されている。

報告書は更に、施設によって介護、職員のモラル、高齢者への応対等に、あまりに大きく差があるのは、職員教育が必要であることを示していると報告書で指摘している。

ちなみに、この高齢福祉環境監督委員会は、2003年に全国の県に配置される事になり、ストックホルム県では、現在8人の委員が活動している。

  (委員会報告書参照 2004年11月5日 記載)

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