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福祉情報(2004年)

 
家族による高齢者介護がされなくなったら、スウェーデンの高齢者福祉は破壊:

ここ数年新聞のみならず福祉専門家、病院、研究所、高齢者施設など、スウェーデンの高齢者福祉問題の将来を真剣に討議されるようになってきたが、それら諸問題は経済不況、民営化などが絡み合い、解決の糸口は見つからないまま、福祉と高齢者介護のクォリティは低下する一方であり、一部の専門家は民営化は失敗であったと批評しているものもいる。

興味ある報告が社会省からレポートとして報告され、その内容を見た。それは、もし家族が自分の両親や祖父母の介護をしなくなったら、スウェーデンの高齢者福祉は倒産または破壊若しくは完全にパニックになると指摘している。特に1992年に実施されたエーデル改革で期待している高齢者福祉とは、大きくかけ離れていく現状を把握し、今後の福祉を予測したものである。

まずその第一原因は、特別高齢者住宅(サービスハウス、グループホーム。シュークヘムetc)などが予想外に早いテンポで廃止されていること。

第二、治療または手術後の病院で介護される滞在日数が、経費節約で極端に短縮され、すでに危険日に近いとされている滞在日数を、さらに短縮にする方向にあること。

第三に、要介護の度合いが高いとされている高齢者でも、家庭介護に変更されている現状で、家族負担と、介護職員との交流や外出などが少なくなったり、またはコミューンによっては、ほとんど廃止に近い状態にあり、孤立化して社会的交流がなくなり、高齢者を更に精神的及び肉体的に悪化させる方向となっていること。

第四に、コミューンの経済状況が悪化しているために、家庭介護を受ける高齢者へのホームヘルパーによる、介護サービスも時間短縮、訪問回数、介護援助の種類なども節約されるようになり、さらにコミューンは訪問先を選抜するようになってきたことなどが指摘されている。もっとも介護を必要とされる高齢者のみが訪問介護を受けているのが現状であり、数年前まではホームヘルパート一緒に、高齢者が車椅子で外出したり、買い物に出かけたり、公園で一緒にコヒーを飲むなどの光景は、ほとんど見られなくなった。

食事もセントラルキッチンから配達された冷たい簡易食事で、ホームヘルパーは食事を温める時間すらないという状況が見られ、シャワーは以前は少なくても週に一回は浴びることが出来たのに、今は月に一回程度で、それも完全に実施されているとは限らないと、家族の苦情も多くなっている。

さらに問題なのは、痴呆症の妻または夫を持つ夫婦のみの家庭でも、必ずしもホームヘルパーの援助を受けられるとは限らなくなったこと。これは同時に子供たちの介護負担が大きくなり、1990年代後半の60%に比較して、約70%の高齢者介護が家庭でなされ、家族が洗濯、買い物、掃除さらに要介護者の介護そのものをするようになってきた。

現在では、80歳以上の高齢者では、5人の内たった一人がホームヘルパーの訪問介護を受けているのみで、1980年代に比較して大幅に減少している。さらに高齢者施設に住む高齢者自身も以前の30%から20%に減少。家庭訪問介護は1960年代には、約60%であり、介護内容も良く、訪問介護が充実していていた。

1990年代後半にコミューンが経費節約で大幅に訪問介護のサービスを少なくしてから、家族が家庭介護にはいるようになり、社会省が実施したアンケートの結果では、家族がもっとも願っていることは、介護に休憩または外の用事ができるように、また介護そのものが体力的にも精神的にも続けられるように、交代してくれる人の派遣を望むとなっているのは、日本の家庭介護に従事する介護者の悩みと一致している。

更に注目に値する回答は、多くの家族は訪問介護を受けたいにも関わらず受けない理由として、コミューンのサービスノ内容低下と介護費が高くなった事をあげていることである。低い年金生活者の家庭では、コミューンが提供する高価なサービスを受ける経済的余裕がないという。

ちなみに、スウェーデンの社会法で、大人である子供が高齢化した両親の介護をし、面倒をみる義務と責任があると規定されていた法律を、1956年に廃止し、それ以後は高齢者の介護福祉は国が面倒をみるべきであると社会法に規定しているにもかかわらず、逆行しているのが現状である。

   ( SOS、SBD,DN,AOM 資料参照 2004年6月24日 記載)

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