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Last Update: 2003/11/13

介護実習の体験記録

 
スウェーデンの高齢者福祉介護連載:

三浦典子さん体験 その2.

さまざまな人々との出会い・・・


今回私は約
3週間にわたって、ストックホルム市近郊ソルナという街にある、ハーレンという施設で研修をする事になった。ここはおよそ20年前に建てられた高齢者介護の複合施設で、サービスハウスと呼ばれる比較的介護度の低い高齢者が共同で生活をするアパート、シュークヘムと呼ばれる介護度の高い方が共同で生活をするアパート(日本での特別養護老人ホームに近い)、訪問介護の事業所、痴呆症の方の為のデイケアセンター、そしてこれも痴呆症の方が共同で生活をするグループホームなどが同じ敷地内にある。

1階の中央にはレストランもあり、居住者はもちろん周囲に住む一般の方もお昼を食べに来ることができ、交流の場ともなっている。私はここで、サービスハウス、訪問介護、デイケア、グループホームにおいての実習生として研修させてもらった。

まず最初はサービスハウスで
1週間の研修。初日の朝、緊張と興奮で寝不足気味の私は、予定よりもだいぶ早く施設に到着。そして全員揃ったところで、まずは1杯のコーヒーを飲みながらのミーティングが始まり、最後にリーダーが私を皆に紹介してくれた。

私がまず最初に驚いたこと。それは、ヘルパーとして働くスタッフの
7割以上が外国人であるという事実。それも本当に様々な国から来ている。エチオピア、トルコ、スペイン、チリ、フィンランド、ガーナ、インド等など。理由の一つとして、スウェーデン自体が外国人の労働や権利を自国民と分け隔てなく認めていること。滞在期間によっては、参政権や年金も保障されている。そしてもう一つ。介護の仕事は賃金が安い上に、地位的にも高くない職業と見られ、その為かスウェーデン人はなかなか就こうとしない。結果として、どうしても人手不足になり外国人の労働者に頼ってしまうのが現状なのだ。もちろん仕事をする上で言葉を話せることは必須だが、きちんと条件を満たす者や労働意欲のある者には最低でも半年間は無料でスウェーデン語を教えるという。それ故に、介護というとてもパーソナルな仕事にも支障なく就くことが出来る。

初日の私の担当はソマリア人のビニエムという男性と、エチオピア人のアステルという女性。彼らとともに各部屋を回った。共同生活と言っても、サービスハウスは個室になっていてその中にキッチンから全ての設備が完備されているために、居住者はほとんど外に出ることはない。各部屋には自分のお気に入りの家具や絵、家族の写真などを家から持ち込んでいるので、まるで自分の家に住んでいるような雰囲気がある。まず初日は皆に顔を覚えてもらおうと、つたないスウェーデン語で挨拶をし、手を握るので精一杯だったが十分に感じる事はあった。顔合わせの際に、この仕事はとても繊細なのでまずは見ていてね、と言われたことに同感。日本でも同じだが、見ず知らずの者がいきなり出来るほど簡単な仕事ではないし、また信頼関係を持つ事が、いかに仕事を効率的に出来るかに繋がることを私も知っているからだ。



 (ホームヘルパー、三浦典子、東京: 2003年)


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