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痴呆の介護の仕方
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「痴呆症介護ガイドブック」
24. 『リッスン、ヘルプ、ステイ』 その1:
「痴呆性老人は何を一番望んでいるのか」を毎日介護している職員の人達は、考えたことがあるのだろうかと疑問に思う。
介護についていろいろな書物が多く発行されているが、どれも全て介護者側の立場で見た、介護の方法が多いです。確かに毎日の決められた時間内に、多くの痴呆性老人を介護しなければならない職員には、他のことまで考える時間が無いのかもしれない。しかし「ストップ」と叫びたい。
本当に痴呆性老人は、あなたが毎日している事に感謝しているのだろうか。老人は何か言いたいのにもかかわらず、我慢をしているのではないだろうか。いや時には我慢できなくて、心の中で叫んでいるのかもしれない。ただ言葉として、出てこないだけなのかもしれない。
何か言えば「忙しい、時間が無い」などと返事をしてはいないだろうか。
職員の心の中では「介護をしてあげている」という意識を持っているのではないだろうか。
私が介護実習で、痴呆性老人を目の前に見る時、常に「この人は何を考え、何を望んでいるのだろうか」と考えます。いろいろと質問をしてみましたが、意識、言語障害を持つ老人は、自分の言いたいことすら言葉として言えません。言葉が言葉にならないためにイライラして、ついには叫んだり、暴力的な行動で自分の意志を説明しようとします。これでは意志の交流などはとても無理です。
それでは痴呆性老人はいったい何を一番望んでいるのだろうか。
『リッスンとは、聞くことです』
老人の言葉でない、言葉を聞いてあげて下さい。
痴呆性老人は、意識や言語障害により、言葉の選択をしたり、思い出せないことがよくあります。そんな時にはあせらないで、相手が何を言いたいのか聞くことです。その場の状況で言葉を選択して、例えば「喉が乾いていますか」「お茶が飲みたいですか」「あの椅子に座りたいですか」などと、簡単な言葉で一度にいくつかの言葉を入れないで、相手が言いたい言葉を選択することです。
時には本人が、窓にある植木鉢の花を見て「花がきれいだね」と、自分の気持ちを告げたくても言葉が見つからず、指で物を示したり、机を叩いたりすることもあります。そんな時は指先になにがあるかをみて、「あの花、きれいだね」と答えてあげることです。それだけでも本人は意志が通じたことをよろこび落ち着きます。
時間の許されるかぎり、根気よく相手の気持ちが落ち着くまで待てば、ほとんど解決されます。
(2004年1月21日 記載)
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