「痴呆症介護ガイドブック」
28-4 「会話のときに注意すべきことは」
7. 「質問する会話はしないこと」
痴呆症老人は、自分自身は誰なのか、どのような人生経験と、過去の歴史をもっているのかなどの記憶能力は低下していきます。
初期症状では、まだ自分の名前も、身内家族の顔も、いろいろなことも思い出すことができますが、それも長くは続きません。中度以上に障害が進と、老人は自分の能力が低下している意識がありません。周囲の人達が、老人にとって大切な事柄を思い出せるように、言葉で助けることは、老人の自意識(自分は誰なのかを知る感覚)を保持するためにも必要です。
いつも自分が答えられない質問をされることは、記憶障害を持つ老人には耐えられないことです。自己嫌悪におちるのみです。「年はいくつ」「あなたの名前は」「生年月日は」「覚えていますか」などは、老人には不可能な質問です。老人には質問の内容すら理解できないことがあります。
そんな時は、たとえば
- 「おじいさんは80歳ですよ」
- 「私の名前は、よしこ、貴方の名前は玲子さん」
- 「おばあさんは大正5年生まれですよ」
- 「この写真の女性はあなたですよ」などと、老人が考えたり、答えを選択する必要のないように話しをして下さい。
老人は言葉を思い出すまでに時間がかかります。老人が答えるまで待って下さい。
介護者が次の会話に進んでも、頭の中で一生懸命に考えている老人には、前の会話が続いており、やっと言葉をみつけたころには、介護者が他の話しをしていたのでは会話にならず、老人はいらつくばかりです。
8. 「子供扱いした話し方をしないこと。」
精神的には知能が子供のようであっても、感情面では大人です。やさしく話すつもりで、老人を子供扱いした話し方は、老人に侮辱となり「ばかにしている」と反感を買うばかりです。
子供でもわかるように話す事は大切ですが、話す時の口調と態度には、老人を大人としてして尊重した態度と言葉で話して下さい。
やさしく相手の肩から肘のあたりに手をふれて、話をすると老人は安心して、話を聞いてくれます。
(2004年2月10日 記載)
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