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高齢福祉社会はどこへ

 
76歳の一人住まいの老人、汚れにまみれて空腹で死亡:

10月末日、一人暮らしの老人のアパートに住む隣人が、「郵便受けから嫌な匂いが毎日しているが何とかならないか」と苦情があり、福祉課職員がアパート管理人からマスターキーを借りて部屋に入ったところ、信じられない状況を目にした。

老人は病院に運びこまれたが、まもなく空腹による栄養不足と疲労で死亡した。数年前に妻を亡くした老人は、その後一人暮らし続け、コミューンが委託するセントラル・キッチンから運ばれる食事を食べていたが、介護職員などが部屋に入るのを拒み、いつも食事はボックスに入れて、ドアーの外に置かれていた。しかし、食事代金の未払いが続き、会社は老人が死亡する一ヶ月前から、食事の宅配を中止していた。

アパートの隣人は、長い間ドアーの隙間からトイレの臭い匂いがしていた。またこの老人が部屋から出たところを見たことがないと言う。管理人が部屋に入ったところ、部屋の中は臭い匂いが充満し、ベッドのシーツはおそらく10年は交換されたことがないほど汚れており、トイレの椅子は大便が汚れついたままで、長い間掃除した様子はみられない。さらに床の上にはタバコの吸殻の燃えた後が残っており、幸いに大事にいたらないまま、汚れと湿気で火が消えたのではないかという。

キッチンのコンロの周りは、古い食物の残り物が焦げついたまま残っており、福祉課から派遣された、ホームヘルパーは長い間一度も部屋に入っていないと判断された。

福祉課職員は、何度も手紙を送ったが返事はなく、食事を宅配していた会社からも、宅配を中止した報告は聞いていなかったと言う。また、サービスを提供しようと、福祉課職員が家庭訪問をしたことがあるが、その老人は一度も部屋に入ることを許さなかったから、そのままにしていたと言う。本人の自由意志を尊重したから、無理に部屋に入ることはしなかったと言う。

本人の自由意志の尊重と、本人の生命安全の為に強制処置と、どちらが重要で、どちらを優先すべきか、また法律解釈の討論が続くことになるだろう。ただし、強制的に援助または介護をするには、法律で最低二人の医師の診察と、それを実行する為に、十分なる理由が証明されないと出来ないと言う。このシステムの検討が必要ではないかと福祉課職員は言う。

こうした状態で、一人住まいの老人が亡くなる事は、一年に数件あると言うが、これほどひどい状態の部屋を見たのは初めてだと関係者は言う。

  (LT,SOCIT 参照 2003年12月8日 記載)

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