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高齢福祉社会はどこへ (2004年)

 


政府の高齢者福祉対策は、掛け声のみか??
政府は2002年に当時の社会大臣ラルス エンクビスト( Lars Engqvist )が、全国の各コミューンに、それぞれ専属の高齢者オンブズマンを制定し、高齢者が十分な介護福祉を得られるように監督すべきであるとの提唱をし、その後全国のコミューンでは、高齢者オンブズマンを選定した。

ストックホルム・コミューンは、8-9人のオンブズマンを選定し、さらに数人必要としているが、オンブズマンの活動は実施されているものの、不備な点、改善すべき点などが指摘されても、実際にはコミューンの経済不況による経費節約と、民間企業の営利追求が優先され、あまり良い効果はないままである。

自分の父親が福祉施設に入居中、介護の手抜きで死亡した父親を持った市民が、コミューンの福祉対策は信頼ができない、また市民がコミューンを監督すべきだと、市民団体を設立したのは、2002年末であった。その後市民の苦情報告が団体に集まり、その中には「コミューンの社会福祉課職員に相談に行っても、目の前で嘘を言い、責任逃ればかりしている」と、なんらの援助や保護を受けられないと報告。また、会員の報告によると、福祉施設に入居している母親や他の老人達は、十分な食事さえ与えられず、自分が試食したが、とても栄養のある美味しく食べられる食事とは言いがたい料理だったと報告。母親は入院後数ヶ月で体重が10kg以上も減ったという。

高齢者オンブズマンは、コミューンが真剣に高齢者福祉対策をしない限り、今に高齢者福祉は破壊しかねないと警告をしている。政治家達は経費節約を実施するために、各施設の廃止を続け、入居条件を厳しくして、サービスハウスなどに本来ならば入居すべき老人達を入居させず、家庭介護が高齢者には一番良い介護であるとPRしている。一人部屋でホームヘルパーが訪問するのを、一日中ただ一つの楽しみとして待っている孤立した老人は増加、家族の援助が受けられない、独身高齢者の老後の将来は非常に暗いものである。

社会省は、報告書で「家族による家庭介護ができなくなった時は、高齢者福祉は破壊するであろう」と警告している。

高齢者福祉の経費は??

政治家達が経費節約と叫んでいるが、実際に高齢者福祉にはどのくらいの経費がかかっているのだろうか。調べてみた。

2002年には、人口の約18%が65歳以上の高齢者で、2025年には25%を超えるであろうと予測されている。高齢者の病気の中で痴呆症は4人に1人の割合を示し、2000年には全国で
11万人から18万人といわれている。この数字は痴呆症の種類と程度により計算がことなる。新規に痴呆症の数字は、25 000人から30 000人と予測され、2030年には20万人を軽く超えると予測されている国民病である。1970年代には、高齢障害者で病院介護を受けていた者の1/3が何らかの痴呆障害者であったが、現在では2/3の割合となっている。

痴呆症介護福祉の経費のみで、2000年に約384億クローネの経費がかかり、コミューンの負担は毎年大きくなっている。このまま状況が続く場合、2010年には約403億から436億クローネの経費がかかると予測されている。

ストックホルム・コミューンでは、2002年の高齢者介護に関する経費は、高齢者福祉住宅の場合、一日一人当たりSkr 1 165:−。シュークヘムは、一日一人当たり Skr 1 486:−そしてグループホームの場合、一日一人当たり Skr 1 368:−である。

痴呆症高齢者のみの経費を計算した場合一人当たりの年間費用は:

  • 初期障害の痴呆症の介護費用は、 Skr 183.000:−
  • 中度の痴呆症介護費用は、      Skr 294.000:−
  • 中度以上の痴呆症介護費用は、   Skr 334.000:−
  • 重度の痴呆症介護費用は、      Skr 429.000:−

    ( Dr A.W Bergsjö 資料参照 )


ストックホルム・コミューンは、サービスハウスを廃止して、普通の高齢者アパートに改造し、65歳以上を入居条件とした高齢者アパートにしたが、24時間体制の各種の職員を人員整理をしたことにより、経費の節約はサービスハウスで、一戸建で約1千万クローネだという。ストックホルム・コミューンは、2004年に7箇所のサービスハウスを廃止、今年7億クローネの経費節約をすることになる。
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県民の評判は??

市場調査による県民の社会福祉に対する意見は、三人に一人が不満足であり、改善すべきであるとストックホルム県に不満を訴えている。この調査は県民1000人による無差別調査の結果である。病院に対しては、31%が悪いと回答しているが、全体的には良いと回答した者が51%と半数以上が良い評価をしている。しかし、この調査は県の社会福祉課が経費節約を実施する前の調査であり、今年の経費節約が実施された後では、この評価に変化があるだろうとしている。

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  (SOS 資料参照 2004年12月28日 記載 )

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