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高齢福祉社会はどこへ

 
高齢者施設の入居はいつのことか:

高齢者の増加に伴い、高齢者住宅、シュークヘム、グループホームなどのに入居を希望する高齢者家族は多いが、各種高齢者施設の建設は停滞している。会社や商店街、事務所などは、高齢者施設よりも賃貸収入が多い。当然建設会社は利益の良い建物を建設していく。

各コミューンも高齢者施設よりも、職員の増加に伴い税金収入が期待される会社事務所建設を優待する。さらに追い討ちをかけるように、1990年代に国が高齢者住宅施設に対して、建設会社に支払っていた、建設費補助金制度を廃止したことが、施設の建設が少なくなった要因でもある。

社会福祉局の報告によると、例えばストックホルム県内では、2001年1月現在で、社会福祉局が認定する、高齢者施設入居条件を満たしながら、施設入居を待っている、65歳以上の高齢者は668人いる。全国的には地域によってこの差は大きいが、報告によると全国で約2 600人の高齢者が施設の空席を待っている。

家庭内でホームヘルパーなどによる介護を受けているが、要介護につき施設に入居すべきと思われる高齢者は、この数字には含まれていない。ストックホルムの高齢者の多くは、アパート生活をしており、ホームヘルパーの介護のみでは、日常の生活をこなしていけない者が多いが、施設不足で入居できず、介護をする家族の者の負担は増加するばかりである。

特に夫婦の誰かが死亡し、一人生活を余儀なくさせられている老人が要介護者となった時、娘たちに介護負担がかかり、時には両親の介護のために、職場勤務を50%にして両親の介護をしている者もいる。

高福祉のスウェーデンは、昔は「ゆりかごから墓場まで」とうたわれ、高福祉社会の見本にまでなっていたが、その高福祉社会は「今は昔の物語」となりつつある。

40年代に出生したものが多く、彼らが定年退職(スウェーデンの定年は65歳)し、要介護者となった時に、いったい誰が彼らを介護してくれるのかと、定年退職者委員会は、政治家たちに詰問している。今年は国会議員選挙の年である。早くも各政党は高齢者対策をスローガンに掲げているが、過去の事実から国民は、あまり期待していないという。

日本人で高齢者施設に看護婦として勤務するある女性は、「私は年老いても絶対に、この国の高齢者施設には入居したくない」と言っていたことが印象的であった。

(DN、SOS参照 2002年3月3日 記載)


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