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高齢者福祉の民営化

  ホームヘルパーの独り言:

民営化の後、いろいろな企業が高齢者福祉施設、ディケアーセンター、ホームヘルパーなどに乗り出して数年過ぎた。利益を求める企業は、経費節約で人員整理をし、例えば、ホームヘパーの仕事も、以前コミューンの経営で勤務していた時とは、大きく異なってきた。

コミューンに勤務の時は、各自受け持ち区域が割り当てられ、必ず二人で巡回勤務についた。そして、近くは自転車で、少し離れた老人の家庭訪問には、職場の自動車で巡回した。

しかし、民営化によりいままで勤務していた職場は、ある日民間企業に移籍し、各人の受け持ち小区域はなくなり、地域全体を受け持ちことになった。

政治家たちの要望により、高齢者に介護をしてくれる企業と担当者を自分で選択できる権利が与えられた。言葉はとて素晴らしいが、現実にはホームヘルパーは、指定受け持ち区域はなくなり、電話一つでアチコチと巡回をしなくてはならなくなった。

企業経営者は利益向上を目標として、ホームヘルパーに介護時間の制限を付けた。それは人間性を無視したもので、多くの職員は反対であったが、規定通りに活動できなければ、退職してもよいと経営者は回答した。

指示により、ホームヘルパーの新しい勤務時間で勤務をしたが、肉体的にも疲労が激しくなり、ストレスも多く、当然老人達への介護も、以前の様に時間をかけて介護することはできなくなった。なんのための介護をしているのかと自問自答する日が続いた。

新しい介護の勤務時間は、例えば一軒に付き、訪問介護の持ち時間は15分が基準。靴下などを履き返させる時間は5分、朝食時間は15分、冷凍食品をレンジに入れて温めるだけで、時間が過ぎていく。老人にゆっくりと食事を与える時間はなく、テーブルの上に置いたまま、次の家庭訪問に行かなくてはならない。

この時間には、寒い冬に衣服を脱いだり着たりする時間も含まれており、当然実質的な介護時間は、冬季にはさらに短くなる。しかし、コミューンが民間企業と契約をした時の条件項目には、SSタイム(介護を受ける者とすわって話をする時間)を持つことと規定されているのは、皮肉なことである。

老人と話す会話時間などの余裕はなく、ましてや老人と応対して座っている時間などはない。当然時間とともに、ホームヘルパーは過労となり、病気休暇が続く、その結果老人達で介護を必要とする時間はさらに少なくなり、本来の介護の仕事に疑問を持ち、経費ばかり計算している企業の経営方法に疑問と不満を持ち、過労で倒れる前に退職を決意した。職場の仲間達は、すでに他の職業に代わっている。
誰のための民営改革なのか・・。

ホームヘルパー・ミルヤ(Mirja)の手紙より。

  (2002年12月1日 記載)

            
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