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高齢者福祉の民営化

  スウェーデンの高齢者福祉の将来は暗い?

その1:

数年前までは、スウェーデンの高齢者福祉は、国が面倒をみるものと言う定説が当たり前であった。しかし、経済不況などで民営化を政治家達は半強制的に推進させてきた結果、今では民営化は経費節約にならず、高齢者福祉の情勢悪化へとなっている。    

民営化の委託を受けた民間会社は、いかにして利益の向上を計るかが最終目的となり、各コミューンから一定の経費を運営予算として与えられた金額の枠内で利益を上げようと努力し、消耗品などの経費を節約をすることは、コミューンの基準が厳しく規定されており困難である。何で経費を節約させるかと言えば人件費である。一人当たりの職員が受け持つ入居者数は増加し、数年前の1.3−1.5が、今では、0.9−0.8となり、勤務疲労を訴えて病気休暇が増加。

更に会社はベテランの職員は給料が高い事から、仕事が十分にない事を理由にして人員整理をした後、反対に人出不足として教育や経験の少ない移民職員を安く採用し、1−2週間の臨時教育をして介護当たらせている施設が増加している。以前はスウエーデン語語学能力の基準厳しく規定していたが、それも緩和され移民者の採用をしやすくなっている。

当然言葉やカルチャーの違いなどから誤解なども多く、介護問題が多く発生し家族からの苦情も多くなっている。さらにコミューンはサービハウスなどの入居査定基準を厳しくてして、以前は入居が当たり前と判定された介護を必要とする高齢者が、新規判定基準では入居できなくなっている。その結果入居者はすくなくなっているから、サービスハウスは必要ないとし、サービスハウスを普通の高齢者住宅に衣替えしている。

何のことはないこれはサービハウスだと常勤職員の設置を必要とするが、高齢者住宅では時間勤務するホームヘルパーの派遣のみでよく、その派遣基準も厳しくして、訪問時間の短縮と介護サービスの内容を少なくし経費節約をしている。またサービスの料金を高くし、上限基準にまで満たない高齢者の経済負担を増加させている。

その結果誰が高齢者の介護をするのかと言えば、家庭の主婦または娘などが介護をすることになり、現在では高齢者福祉は家庭の女性援助なくしては成り立たなくなっている。それを政治家達は高齢者の介護は家庭で見るのが一番良いとことだと、数年前には「高齢者福祉は国が負担する」と公明したことなどは忘れたかのようである。

ストックホルム大学の教授による調査によると、高齢者介護をしている者とは、中年の娘が介護をしているのが今では普通である。例えば、以前は80歳以上の介護を必要とする高齢者のほとんどはコミューンが援助介護していたが、昨年の統計ではコミューンが援助している80歳以上の高齢者は、43%と減少している。この数字は高齢者の男女に差別はない。高齢者が増加しているのにも関わらず、現在のコミューンの経済不況から判断すれば、この数字は更に減少するだろうと予測されている。しかし、全ての家庭の娘が年老いた両親の介護ができるのではなく、問題は深刻である。

ちなみに、1980年には、80歳以上の高齢者の62%が、ホームヘルプや高齢者住宅(サービスハウス等)等の介護など、コミューンの援助を受けていた。法律ではコミューンが高齢者福祉を受け持つ責任が規定され、どの法律にも家庭が介護責任を持たなくてはならないと規定されていないのにも関わらず、高齢者介護のほとんどが子供または親戚などに依存されていく傾向に進んでいる。これは高齢者自身が、子供に面倒を見てもらうのではなく、国に老後の生活を面倒みてもらいたいという希望とは逆行していることになる。

80歳以上の高齢者参考数字:

年 度  人数
1970 193 167
1980 263 341
1990 369 578
2003 475 938
2010 485 218 (予測数字)
2020 518 825 (予測数字)
2030 796 717 (予測数字)


  (SCB.MT 参照 2004年5月18日 記載)

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