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高齢者福祉の民営化

 
民営化その後

1992年のエーデル改革後、全国のコミューンで、一時は先を争うように高齢者施設の民営化が推進された。10年後の現在は・・

民営化により、民間企業が営利を目的として、高齢者福祉施設に参加し、一部のコミューンでは、全ての施設を民営化したところもある。しかし、営利を目的とした民営企業は経費節約として、職員の人員整理を半強制的に実施した。

その結果は一人当たりの勤務内容と担当入居者が増加、さらに時間的制限により、入居者が必要とする、社会的交流がなくなり、施設によっては一ヶ月も外出したことのない高齢者がいたり、民営化前に定期的に車椅子に乗って外出していた者が、職員に時間がないことから、何ヶ月も散歩にも出ていないなどの苦情が家族から多くなり、問題化してきた。

民間サービス企業のの参加は、それほど簡単ではない。その理由は、民営化というものの、実際の経営面を除いた、業務内容の監督管理は、日本でいう厚生省、スウェーデンでは社会福祉局の管理下にあるためである。

利益増加には経費節約が当然必要となるが、業務内容、施設が入居者に提供しなくてはならないサービスなどは、規定が明確に指示され、民営化契約時に書類で条件として記載されているため、業務内容を削ることは出来ない。極端に言えばオムツ交換の回数、食事内容及びカロリー計算、シャワーの回数などまで明確に記載されている。

つまり経費節約とは人権費節約しか方法がない。例えば3人の職員がしていた介護の仕事を2人、または1.5人でしなくてはならなくなった。夜間勤務職員を、4人から2人、施設によつては、一人勤務にしたところもある。

これは、一人当たりの仕事の量と責任の増加である。当然職員の入居者に対する介護時間はすくなくなり、介護の監視、処置が十分にすることができず、各種の事故発生が多くなり、床ずれの増加などの障害の増加、職員が仕事に疲れ退職したり、病気休暇が多くなる。職員は本来の介護が十分に出来ず、老人たちが気の毒で続けられないなどの理由で退職していく施設が増加している。

それを防ぐために、福祉や介護の教育のない職員採用となり、ますます悪循環を繰り返しつつあるのが、スウェーデンの高齢者福祉施設の民営化の現状である。

民営化した企業の経営者は、一部の施設では、マスコミへの口止めをしたりして、職員に圧迫を加えたりしている施設も現れ、経営者は「我々の施設では何らの問題もない」と明言しているが、退職した職員たちが、施設の実情を公表するにいたり、慌てて対策をしたり、一部の改善をしているのが実情だある。

もちろん、そうした問題が公になって、社会福祉局の指導が改善され、多くの施設で以前比べてよくなったところもある。

民間経営の増加は以前ほどなく、各種の問題発生から、コミューンは民間委託に慎重になり、コミユーンによっては、民間企業の経営を契約破棄して、コミューンが改革前の様に、自ら高齢者福祉施設の経営を始めた施設もある。

(2002年6月26日 記載)

 

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