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高齢者福祉の民営化

 
スウェーデンの高齢者福祉の将来は暗い?

エーデル改革による高齢者福祉の民営化は、現場で働く人たちの反対意見にもかかわらず強行された形になり、当初は政治家たちの選挙の宣伝文句にも、改革の意義とその良さをうたい文句にしていたが、それから10年たった今、政治家たちは改革を口にすることはなく、関係者は高齢者福祉の改善の再検討を余儀なくさせられている。

民営化によって確かにコミューンの一部では、改善されて良い成績をおさめている施設もあるが、民営化は利益を追求することが目的であり、厳しい介護規定の中にあって、利益をあげるただ一つの手段は人員整理しかない。職員の患者にたいする負担は大きくなるばかりで、ストレスはたまり、時間不足から十分な介護も出来ず、当然家族からの不満も多くなってきている。

過労勤務で退職していく職員の後には、社員派遣会社から来る介護教育のない人が、臨時職員として職員不足を補う。当然教育のない職員の活動は、入居者に十分な介護は出来ず、家族の不満はさらに増加する。人身事故も発生し、施設では職員の勤務を停止するなど問題は多くなるばかりである。派遣職員の年齢は、一部では18−19歳と若く、ほとんど介護経験のない者が派遣されている。

介護をする職員に「あなたが高齢になり介護を必要とした時に、高齢者施設に入居したいと思いますか」と質問をした時に、若い職員も中年のベテランの職員も、「経験から自分自身がこうした高齢者施設には、可能なかぎり入居したくない」と即答した。10年前には聞かれなかった職員の声である。

昨年(2001年)のみで、高齢者と身体者障害者に対する各種の事故報告数は、600件以上にも達している。関係者の間では、施設から退職させられるのが不安で、事故届出をしない職員も多いと予想され、届出はほんの一部でしかないと言われている。実際には三年前からLex Sarahという規定が制定されてから、施設は各種の事故などすべて届出を義務付けられている。これは施設長のみでなく、介護職員や、他の勤務に従事する職員にも課せられているものである。

職員不足に続いて、介護教育学校に入学希望する若い人たちが減り、臨時職員の増加にともない、職員教育が出来ず、スウェーデンの高齢者福祉の将来は暗いものであると、社会福祉局は近い将来を予測している。

その対策として、コミューンは家族が家庭で介護を続けるようにと指導しているが、スウェーデンの高齢者は、老後の生活を自分の子供に負担させることを望まず、高齢者介護は国がすべきであると考えている人が多く、この問題は40年代の生まれた人たちが高齢者となった時に、政府はどのように解決するのかとマスコミは書いている。

さらにコミューンは経費の問題から、高齢者施設の増加は困難であり、今介護を必要とする高齢者の多くが、家庭介護を余儀なくさせられていること、法律に定められている最低のサービスが十分に出来ないことなど、今後の問題は増加するのみである。

コミューンは、ホームヘルパーの増加やディケアセンターなどの改善を約束しているが、実際には数年前に比べて、ホームヘルパーの仕事は倍以上となり希望者は少なくなり、特に夜勤勤務を希望する者は減っている。だれが家庭介護の面倒をみてくれるのかと、政治家たちへの抗議は多くなっている。

社会福祉局の資料を見ると、90年代の初期には、80歳以上の高齢者で、家庭介護を受けていた者が約20%、23%の高齢者が特別の高齢者住居にて介護を受けていた。これはサービスハウス、グループホームなど各種の高齢者施設を含む。

また80歳以上の高齢者は増加しているのにもかかわらず、高齢者でホームヘルプ、特別の高齢者住居など、何らかの介護を受けているのは、1993年には45.7%であつたが、2000年には、39.7%と減っている。


(SOS、DN資料参照 2002年2月22日 記載)


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