From Stockholm
HOME 福祉紹介 ニュース 観光・旅行


ミニ情報 リンク集 掲示板


 


友人の介護記録

 
その2.実情把握:

現状把握のために、S氏の実家(日本)と連絡をしたところ、病状はあまりよくなく、現在車椅子に座ることが出来るくらいで、本人との会話は不可能である。また、病院経費も多くかかり、24時間介護が必要で、毎日家族が付ききっりで介護しており、いろいろと大変であるが出来る限りの努力をしていると返事があった。

心筋梗塞と共に脳内出血を併発しているならば、脳血管痴呆症の疑いをもった私は、家族にその障害について説明し、私が直接病院と今後連絡を取ってもよいか確認をしたところ、なんらの異議もなくよろしくとの、こころよい返事であった。

最初に緊急入院した病院と連絡し、医療意見書を請求した。FAXで病院の循環器内科からの報告内容は、10月1日に胸部症状のため病院に外来受診し、心電図上虚血性変化が疑われ入院し、緊急心臓カテーテル検査施行したことなど、明細に記載された状況報告が入った。投薬についても詳しく薬品内容が記載されており、病状を把握できた。更に10月5日には、BrainCT上脳梗塞の疑いが発生し、当病院から脳神経外科病院に移動し、現在も入院治療中であることが判明した。

その結果により、S氏の住居地に当たる、フーディンゲ病院(ストックホルムの南部地区にある)の脳外科医師に面会を求め、S氏の入院可能性についてと、飛行機による移動について相談。また日本の両病院医師からも意見書を求めたところ、座位による移動ならば問題はないと判断する旨返事があった。その結果を国際保険会社(デンマークに本社がある)に電話報告し、今後の方針と日本からの移動経費、その他の保険問題について検討した。

また、同時に日本の病院主事による、移動に関する現状判断と意見書を求めた。その理由は、心筋梗塞と脳内出血の二つの病気を短期間に発病した本人が、飛行機による移動中に病状が悪化する可能性、特に高空における機内気圧変化おける安全性について確認したいためであった。

症状報告書と意見書には、当時の状況が記載されている。

1996年11月2日付け脳神経外科病院の報告に、現在意識はほぼ清明、言語については聞いたことの理解はかなりできるが、言葉を出すことはほとんど出来ない状態である。運動については右上下肢の麻痺がある。起立は不可能で、車椅子への移動は介助が必要。また尿は失禁状態のため、膀胱へカテーテルを留置、排便の訴えもなし。

移動については、1−2時間ならば車椅子で座っていることが出来るが、長時間の場合はベッドが望ましい。移動、食事、排便等は自分で出来ないので、介護者が必要。てんかん発作の出現の可能性を考えると看護婦が望ましいとある。

日本からスカンジナビアに飛行する航空機は、地上8千から1万メートルの上空を飛ぶ。機内の気圧調整などはされているものの、機内の空気圧変化が多少でもあった場合、脳障害の影響が心配される。また異常発生があった場合、医療処置はどのようにするか、誰に責任問題が問われるのかなどを考えると心配になった。

循環器内科医師の意見書には、現在の状態は、3vessel diseaseではあるが、hemiplegiaでもあり、他の2枝は慢性閉塞性病変であることから、亜硝酸剤、杭血小板剤投与すれば、悪化の可能性は少ないと思われるので、座位にての飛行機の移動は可能と思われると書いてある。

この報告書を読む限り、飛行機による移動の安全率は必ずしも、高いとは思われなく、国際保険会社の担当者と何回も電話で話し合いをした。日本から看護婦の付き添いは、異常発生の場合の処置に不安があり、私個人としては好ましくないと判断した。

可能ならばスウェーデンの医師を日本の病院に派遣、病状を正しく診断して、飛行機による移動が可能かどうか、判定をして欲しい。そして移動が可能ならば、その医師が日本の病院から、フーディンゲ病院に入院するまで、付き添って欲しいと要望した。移動に関するすべての費用は、日本の病院治療費用を含めて、保険でカバーして欲しいことも要望した。幸いにもフーディンゲ病院の医師も賛成意見書を提出してくれたので、保険会社の承諾を得ることができた。

(2002年2月16日 追記)


                          INDEXにもどる