From Stockholm
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友人の介護記録

           
その9. 外国へ移住:

その後リハビリの効果があつて、杖をついてトイレまでは自分で行けるようになり、寝たきりのままで飛行場に着いた、当時のS氏とは別人のように元気になってきた。しかし、運動神経および筋肉障害もあり、自分で衣服を着脱することは出来ず、すべて妻の世話に頼るしかない。

S氏の妻はタイ出身である。その地は冬でも暖かいこと、また妻は言葉、食事、環境など日常生活を考えて、タイへの移住を強く望むこともあり、S氏の健康を考えてN氏とも相談した後、タイに移住することになった。

完全に移住を決定する前に、しばらく生活体験をすることを薦めた。理由は妻の家族との交流、気候など毎日の生活面で果たしてなんらの問題もないのか、経験、確認することが必要と判断したからである。

半年後一冬を温かいタイの生活を経験した彼は、帰国した当時は、一時的に言葉の慣れなどから、やはりスウェーデンに残りたいと希望したが、介護などの問題、施設に入居した場合、日本語を理解してくれる職員がいないなど、実務上の問題が多く解決しなくてはならず、彼の妻の強い希望により、タイに移住することになった。

病気退職と年金の手続きでは、病院とF-kassa(国民保険)との交渉で、何回も会議に参加した。F−Kassaは、S氏がトイレまで行けるのならば、まったく動けないというのではない、車椅子を利用しながら、身体障害者訓練所で職業訓練を受け、何らかの職業に就くべきだという意見が出て、病気障害年金の認可は、一時は不可能かと思われた。

しかし医師やディケアーセンターのリハビリ結果報告などの書類を提出、会議で説明し認定された時には、大きな仕事を一つやり遂げたような気持ちであった。

日本人であるS氏は、タイに移住すると、スウェーデンの年金支払いに問題があることを知り、スウェーデン国籍の取得手続きもした。これでS氏はタイに永住しても、年金支払の問題はなく、毎月受けられる事になった。

1999年10月末日、S氏はN氏を始め親しい友人たちに飛行場で別れを告げ、妻と共にタイの生活をスタートしたのだった。今ごろは暖かい気候に恵まれて、三匹の犬と戯れながら、妻と妻の家族に囲まれて、楽しい生活をしていることと思う。


   おわり。


  (2002年12月29日 記載)

 

 

 

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